近居と便利な補助制度について

近居とは、親世代と子世代が近い距離に住んでいる状態で、親子が一緒に住む同居に比べると、それぞれの生活を変える必要がなく、ハードルが低い特徴があります。近年の日本では近居が増加しています。それは親の世帯と子の世帯で、それぞれにメリットがあるからです。保育園や学童クラブなど子供を預かってくれる施設は、夕方までで迎えに行くことが多いために、共働きで働いている子世帯は親の援助が必要です。

また、仕事を引退した親世代にとっては収入が減り、それに急な体調不良が発生した場合、子供の援助が必要です。それぞれに理由とメリットがあるために、近居を選択することが多くなっているのです。国土交通省の調査によると近居の定義は親世帯と子世帯が、自動車などの交通手段を利用して、1時間以内で移動できる距離に住むことをいいます。政府は、子育てをしやすい環境整備のために、3世帯同居・近居しやすい環境の整備を推奨するようになりました。

自治体による補助金制度も存在します。東京都墨田区では、中学生までの子供がいる世帯の場合、新築住宅の購入で50万円、中古住宅の購入で30万円の助成がつきます。これには条件があり、2世帯の距離が1キロ以内で、国の住宅基本計画の最低居住面積水準を満たすなどの条件が必要です。神奈川県厚木市でも、新築の戸建てやマンションを購入する場合、中古マンションでは耐震基準を満たす場合、住宅取得補助金が500万円以上であれば50万円、同居で60万円の支給が受けられます。

千葉県松戸市でも同様の補助制度があり、中学生以下の子供がいる世帯で戸建てやマンションを購入すると、二世帯の距離が2キロ以内であれば50万円、同居では75万円の補助金が受けられ、市外から転入する場合はさらに25万円の加算があります。さまざまな支援制度が存在するので、ぜひ調べて活用しましょう。