両親との近居と二世帯住宅について

自分たちの家族との生活と、両親との生活とをどのように区切るのかということは、どの時代になっても議論のテーマ泊まるものです。明確な正解がなく、それぞれのライフスタイルや考え方によってベストな方法は異なりますので、最善策は双方が理解できるまで話し合いを進めていくことにほかなりませんが、互いの満足度の高い居住形態の方法に「近居」を挙げることができます。近居という言葉が示す範囲は広く、人によって捉え方が違いますが、一般的には生活の基盤となる住宅は別としながらも日常的に行き来可能な距離に居住することと考えてよいでしょう。同じ市区町村内に別の住宅を建てて暮らすことも、生活スペースを明確に区切った二世帯住宅で暮らすことも近居と考えることができます。

一方で、玄関や一部の居住空間を共有するスタイルの二世帯住宅では「同居」のスタイルに近いために、互いに近居を希望しているということであればその希望にはそぐわない居住形態となることに注意が必要です。同居スタイルの二世帯住宅は、家族の距離が近く感じられることや光熱費の一本化による節約効果はあるものの、トラブルやストレスの発生も増加することが多く、向いていない家族も多く見られます。程よい距離を保ちながら、生活空間を分離するタイプの二世帯住宅であれば、互いが考える近居に近いスタイルとなるでしょう。もっとも、一つの屋根の下で暮らすことに抵抗感があるケースも考えられますから、自分の家族と両親との居住形態には入念な意見のすり合わせが必要です。